主に低学年を中心にしつつ、中学受験・公立フラットな立場から「勉強が得意な子」を育てるための戦略を説く本
勉強が子どもの人生を決める!と冒頭で言い切るところから始まるこちらの本。
これからの世の中を生き抜いていける人とは、自分の頭で考えて、努力を惜しまずお金を稼いでいける人です。そのためには、幾つになろうと向上心を持って勉強を継続し、世の中の変化に対応できる正しい知識と常識を得る努力が必要です。(中略)向上心を忘れず、努力をいとわず、楽しんで勉強に取り組む「勉強が得意な子」
「勉強が得意な子」をつくるお母さんの戦略より
と聞くと、それはそうだなと納得です。
著者は精神科医・教育評論家の和田秀樹さん
ご自身も弟さんも東大出。
精神科医ながら受験アドバイザーもしてるそうです。
精神科医ならではなのか、他と比較してケーススタディよりも脳の発達などを元にした論が多いです。また高校生を主に指導しているからなのか、公立へシフトするのも良いと言い切っている中学受験本には初めて出会ったので新鮮でした。
個人的に刺さったこと
- 母自身が日々勉強する気持ちをもっておくこと
- 自分の土俵で勝つ(競争)経験をすることが大事
- 9歳の壁、早いか遅いかは個人差がある。単純暗記は9歳まで、その後は抽象思考が伸びる。(だから低学年はとにかく丸暗記)
- 男子は後伸び・スロースターター。自信を失いやすいので一番になる経験をして劣等感をもたせない。
- 女子は競争好き。失敗を恐れず新しいことに挑戦する機会を多く。
- 中学受験は良いこと。必要不可欠な基礎学力を身に付けられる。でも子どもの様子で公立中学へ切り替える判断も必要。多感な時期に一生懸命頑張ってもできない体験で、やる気を失い「自分はできない」と思い込む。そのために見極めが重要。母のいらぬ意地はグッと我慢。
- 見極めのためには9歳の壁を超えたかどうか。明らかに中学受験が能力に合わないのなら、公立の先取りに舵を切り替える。負けん気の強い子は受験向き、しゅんとしちゃう心優しい子は進路切り替え。
- 低学年では勉強を快体験に。できないときは教え方がミスマッチしてる。勉強自体への興味のなさ・すぐに忘れる・自信がない。その時は注意・関心・興味と段階をおって、関心を持たせる。日ごとの成長を快体験につなげる 。低学年までは好きなものだけでもOK。
- 低学年ではとにかく暗記させる。わからないことは聞いていい、という当たり前の経験をさせる。質問=悪ではない。
- 9歳の壁が来る中学年。待つしかない。超える前でもできる漢字や計算でできる体験を。自分はできない、と絶対に思わせてはいけない。要注意時期。
- 高学年では子どもの性格をみる。周りのできる子にしゅんとするタイプは、無理して難関校より1レベル下のトップにいる方が東大に入りやすい。9歳の壁を超えられてなければ、公立中の先取りに切り替える。センス的な思考が必要な中学受験より、努力すれば上位を目指せる高校・大学受験の方が向いている場合もある。私立は校風も重要、良くも悪くも色が強くある。
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